トロイは1871年にドイツのビジネスマン、ハインリッヒ・シュリーマンによって発見されるまでホメロスの「イリアス」の架空の都市と考えられていた。幼いころからギリシャ神話に親しんだシュリーマンは、トロイは実現したと思い込むようになり、アメリカで財を成したあとオスマン帝国から1868年に発掘許可を得た。シュリーマンが選んだ地はヒサルルックと呼ばれる丘で、ここで実際に遺跡が発見されると彼は「トロイを発見したアマチュア考古学者」として一躍有名になった。一方、素人であったため、発掘の際遺跡に損傷を残したり、またこっそり出土品をドイツに持ち出したりなど、シュリーマンには批判される面もあったが、それでも4000年の歴史を示す全部で9の地層が掘り出され、時代背景の推測に大きく貢献した。このうち第6層と第7層がホメロスの「イリアス」に登場するトロイであり、トロイ戦争もこの時代に起こったと考えられている。第6層からは紀元前1275年に地震によって、また第7層からはその約25年後にも火災によって都市が破壊されたことがわかっている。トロイ戦争が本当に起こったかどうかはわからないが、当時この都市で紛争が起こったのは調査の結果明らかである。
トロイ遺跡