クズカレスィ

クズカレスィ(Kizkalesi)

イスタンブルのクズクレスィ(乙女の塔)などトルコ国内には似たような遺跡があるが、このクズカレスィはこれらのオリジナルだといえる。13世紀にアルメニア王国の王が「蛇にかまれて死ぬ」と予言された娘のために建てた城。クズカレスィは海岸から200mはなれたところに建てられ、王の娘はここに住むようになった。ところがある日娘に届けられた果物が入ったかごの中に蛇が忍び込んでおり、娘は予言どおり蛇にかまれて死んでしまったという。この蛇は今でもクズカレスィにいるといわれていて、観光客以外はこの城を訪れるものはあまりいない。

クズカレスィの正面にもまた別の城塞の遺跡がある。城の入口はギリシャ語の碑文が刻まれた古代の石が使われている。西側入口はもともと3世紀に建てられたローマの建物を城の一部に加えたものである。

クズカレスィの周辺には4世紀のネクロポリス(墓場)のほか、ビザンツ教会や貯水槽などがある。


クズカレスィ周辺の遺跡

アダム・カヤラル
最も面白いのはクズカレスィの6kmほど北にあるアダム・カヤラル(人間の岩)。約1キロほどの小さな道は谷へと続いており、そこにはローマ市民をかたどった岩像が壁面に掘り起こされている。全部で17の「ローマ市民」と一匹の山羊の石像があるが、誰が何のためにここに石像を彫ったのかはわかっていない。

カンル・ディヴァーネ
クズカレスィから東へ約7キロ離れたところにある。カンル・ディヴァーネとはトルコ語で「血まみれの場所」の意。ここにあるカニテリス遺跡には深さ60m、直径約80mの小峡谷があり、昔罪人の処刑場として使われていたと考えられ、この名が付いた。
カニテリスは古代オルバ王国の一部であり、当時この峡谷はゼウス・オルビオス信仰の聖地とみなされていた。峡谷の中へ続く階段を下りると、岩壁に刻み込まれたローマ時代の兵士や、6人家族のレリーフがある。
カニテリス遺跡にはヘレニズム時代に(紀元前200年)ゼウス・オルビオスへ捧げられた高さ17メートルの塔がある。その周辺にはビザンツ時代に建てられた教会がいくつかあるが、その中でも最も保存状態がよいのはパピラス教会。教会の入口上方には「この扉は神へと導く扉である。入るものは救われる」と彫られてある。ネクロポリス(墓場)にはローマ時代に建てられた神殿風の霊廟や、岩に掘り込まれたレリーフ付の墓などがある。