カチカル・ダーラルとともにトルコでコーカサスの雰囲気が感じられる唯一の地域。きれいな木造の建築物が緑の斜面や裸の岩壁を背景にたたずんでいる。実際、グルジア語を母国語とする人々もジャーミリやメイダンジュック、ポソフ、シャヴシャット付近に住んでいる。ルーツはともかく、アルトゥヴィン県の住民は識字率が高いことと政治的に中央左派であることでも有名である。仕事を求めてブルサやイズミルなどに出稼ぎに行く人たちも多く、県内に住む人々の数よりも多いほどである。
この地方は湿気が多い高原気候でウィンタースポーツ観光に適しているが、現在観光客のほとんどは夏に訪れる。ユスフエリ周辺ほど印象的ではないが、この付近にもグルジア教会が点在し、教会自体よりもその周りの風景が美しい。
アルトゥヴィン
廃墟と化した城とロシア時代の家屋以外に特に見どころはないが、アルトゥヴィンは少なくとも1泊するのに値する感じの良い町である。6月の第3週目にヤイラで開かれるカフカソル・フェスティヴァルでは多くの人々がアルトゥヴィンを訪れる。フェスティヴァルでは雄牛同士を戦わせるのが慣例だが、そのほかにもグルジアからの団体なども参加し、国際的なお祭りである。トルコ国内で生き残っている本物の民族祭であるにもかかわらず、旅行代理店は取り扱っていないので、見たい人は自力で参加するしかない。
アルダヌチとイェニ・ラバト
グルジアのクラルジェティ地域の首都であったアルダヌチへはアルトゥヴィンからドルムシュで約30分。旧市街にはバグラティド朝時代の大きな城塞がある。付近には宿泊施設もあるがほとんどが売春目的なので、泊まらないのが賢明。
アルダヌチから東へ14キロほど行くとブラヌク村がある。この村にはイェニラバトと呼ばれる10世紀の修道院教会が残っている。内部の保存状態は良いが、外部の装飾石などは取り外されてしまっている。
ベルタ川付近の教会
アルトゥヴィンからシャヴシャトをつなぐ国道と平行してベルタ川(グルジア語でイメルへヴィ)が流れている。下流から上流にかけてドリスハーネ、ポルタ、トゥベティなどの教会跡がある。
アルメニアの王・スムバト1世により10世紀に建造されたドリスハーネ教会は現在ハマムルという村のモスクになっている。スムバト1世が教会をイエス・キリストや大天使に捧げているのを描いたレリーフなどもある。
ポルタは9世紀の修道院教会。この教会に登るには30分かかり、道は滑りやすいので厚底の靴が必要。教会自体はハホにあるグルジア教会とよく似ている。
トゥベティの修道院教会は10世紀に建てられ、美しい谷を背景に聳え立っている。残念ながら何十年か前に教会のレリーフなどが盗まれるなどし、廃墟と化してしまった。